第11回 ジビエ料理研究会 活動報告
テーマは「ジビエとえごま」──飛騨の伝統食が、鹿肉の魅力をもう一段引き出す夜
飛騨地域でジビエ料理を扱うシェフたちが、営業終了後の夜に集まり、料理を持ち寄って学び合う「飛騨ジビエ料理研究会」。第11回は Neighbird を会場に開催されました。
今回のテーマは 「ジビエとえごま」。
飛騨の伝統食である 「飛騨えごま」 を活かし、ジビエ料理の可能性を探る回です。

「えごま」とは?──飛騨の食卓に根づく、香りとコクの“名脇役”
えごま(荏胡麻)は、古くから日本各地で食べられてきた作物で、飛騨では特に身近な存在。
実をすって味噌や醤油と合わせた「あぶらえ」として、五平餅や和え物に使われるなど、家庭の味として受け継がれてきました。

えごまの魅力は大きく3つあります。
- 香り:火を入れると立ち上がる、ナッツのような香ばしさ
- コク:すり潰した時に生まれる濃厚さ。料理を“まとめる力”がある
- 油脂感:口当たりをなめらかにし、余韻を長くする
つまりえごまは、味を強く主張するというより、料理の輪郭を整えたり、香りの方向性を決めたりする“調律役”。
個体差があり繊細な香りも持つ鹿肉にとって、えごまは相性の良いパートナーになり得ます。

営業後の厨房で交わされる、現場目線の情報交換
研究会の時間帯は、店の営業が終わってから。
一日の仕事を終えたあとでも集まって、それぞれの料理をふるまい、率直に意見を交わす——この研究会ならではの空気が、今回も濃く漂っていました。

「えごまは粒・ペースト・油、どの形が一番使いやすい?」
「香りを立たせるなら温度はどこまで上げる?」
「鹿の部位ごとに、えごまの“濃さ”を変えるべき?」
“レシピ”だけではなく、“提供の現場でどう再現するか”まで話が及ぶのが、この研究会の面白さです。

えごまを使うことは、「飛騨の物語」を料理に宿すこと
ジビエは地域資源を活かす取り組みであり、食の未来にもつながる素材。
そこに飛騨の伝統食「えごま」を掛け合わせることで、料理は単なる“おいしさ”を超えて、土地の文化や記憶をまといはじめます。
営業終了後の夜に集まり、料理をふるまい、語り合う——。
その積み重ねが、飛騨のジビエを“特別な食材”から“地域の定番”へ育てていく。
そしてえごまは、その歩みをそっと支えながら、飛騨らしい一皿を形にしていく鍵になっているように感じました。











コメントを残す